カナダ居合セミナー、この1年の振り返りとしての。

今年もカナダの居合セミナーに行ってきましたよ。
もう通算5回目になるのかな。
連れなしで一人で運転していくのも2度目なので慣れたものだ。
前の道場の人々も近隣から行ったのだが、彼らは初日は観光、私は初日の夕方の指導者向けのクラス(に、あわよくば通訳としてもぐりこむ作戦)に直行ということもあって初めから別々に出かけた。やつらは夜ストリップクラブに出かけたりするので車が別じゃないと不便、という事情もあったり。



この1年は、私の居合の岐路が大きく変わった年だった。
去年のカナダのセミナーの後、続けてUSのセミナーがあった。そのセミナーをきっかけに今の道場に入門させていただくことになった。

前の道場を去ってから今の道場に入るまでの2年間、私はどこにも属さずに、できる限り沢山の居合セミナーに参加して、後は自主稽古をしてきた。それでも上達しているつもりでいた。演武を褒められることは時々あったが、カナダ在住の先生に「祐さんは居合より通訳の方が上手いね」などと揶揄されたりもしていた。

そんな風だったので、今回このカナダのセミナーに戻ることは私にとって大きな意味があった。
今の道場に入ってからの1年で叩きなおされた成果が人にも見える形になっているのか。
このカナダのセミナーはそれを知るチャンスだと、行く前から思っていた。
ことに、敬愛するH先生にどう見てもらえるか。



まあ実際に稽古が始まってみれば、それどころじゃなくてただただ言われたことを直す作業になる、そういうものだ。初日の指導者向けのクラス(思惑通りまんまと通訳として忍び込む。このクラスがとても勉強になった。)を除くとセミナーは丸3日。最終日はカナダの祝日で、翌日から仕事の遠方からの人々は帰ってしまったりするので、最後まで残る人は例年少ない。私の前の道場の連中も最終日は午前中で切り上げていた。
私は最後まで残る。こんなに続けて稽古できる機会など滅多にないのだから、勿体無い。

二日目だかに、うちの道場にはるばるカナダから何度か見えたメンバーの一人が私のところにやってきた。
「すごく上達したね!S先生の居合にそっくりだ。」
S先生!!!!
親方は毎回はおられず、普段手本にしているのがS先生なのだから当たり前といえば当たり前だが、
そもそも遠いにも関わらずこの道場に入門させていただく決意をしたきっかけの一つがS先生の演武だったので、
これはことさら嬉しかった。(嬉しかったのでS先生にFacebookで報告したら「目標はもっと高く持ちなさい」と言われたが。笑)

三日目の午後は、自主稽古していると先生方が回ってきて指導して下さる。人が減っているので残っているものは先生のアテンションを得られてお得です。だから皆さん帰ってくださってかまわないですよ。笑
そんなわけで幾つかの形を時々二人の先生に直していただいた。
もう自主稽古もそろそろ終わりという時刻になって、「諸手突き」の向きを変えるところでバランスを失ってよろけていたらH先生が私の方に向かってこられた。重心の取り方のアドバイスでもしていただけるのかと思っていたら、
「祐さんは良くなったねええ」
!!!!
このセミナーで一番欲しかったH先生の言葉だった。
それから手の内の練習を教えていただいて、自主稽古の最後はその素振りをして締めになった。

最後の最後に演武会がある。普通に言う大会のようなかしこまったものではなくて、
大雑把にレベル別に別れていっせいに指定の形を演武し、日本からの先生方が各レベルから一人入賞者を選ぶというものだ。
二段三段のグループにはカナダの強いメンバーが沢山いる。十数人の中から選ばれるのは一人、技術的に私が一番であるはずはない。ないが、自分の番が終わって杖道の演武を見ている間に向かいのK先生とH先生がこっちを指差して何か話し合っているな、と思っていたら、私が選ばれた。
これは努力賞だな、と思った。去年と比べると上達した、という意味での。

賞品としてK先生(Samurai Spiritsシリーズの居合道の項に出ておられたあのK先生です)のサインの入った皮の木刀鍔をいただいて、「あなた頑張っているね」とお言葉をかけていただいた。
日本にいたら、私くらいのレベルでK先生と間近にお話できる機会なんてまずない。
ガイコクで武道をやっていると、不便なことも沢山あるが、こうして稽古をみていただいたり、至らない通訳でお手伝いさせていただいたり、お得なことも実は沢山ある。






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剣祐

Author:剣祐
剣の修行中。

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