小さな歴史の話など

先日紹介した、時々走りに行く公園にはForbidden Drive (禁止された道)という名前の道があって由来が気になっていました。こんな道です。
今日ランニング前のダイナミックストレッチをしながら看板の歴史情報を読んだら名前のわけがわかりました。

かつて馬車の時代には、ここは主要な道路(*)だったそうです。
この道はその後自動車が走り始めてからはしばらく自動車の通り道になっていたのですが、
自動車を通すことが適切かどうかが長年議論されていたそうです。
そして結局自動車は通行禁止、ということになり、今の名前がついたのだとか。

*主要なターンパイク(Turnpike)だった、と書いてありました。ターンパイクの定義に合致する道だったとすれば、有料道路だったことになります。これは歴史の授業で習いました。「ターンパイクの名前の由来を知っているか?お金を払わないとそこでターンして帰らなければならないからだ」と教授が言うと、みんな冗談だと思って笑い出し、教授「本当なんだ!信じろって!」(必死。普段から真顔でふざけたことばかり言うからですよ、先生。笑)

この公園にはあちこちに小さな標識があって、こんな風にアメリカ独立前後からのこのあたりの歴史が書かれています。

トレイルは公園の南端あたりで大きな石橋の下をくぐります。石橋を車がかなりのスピードで通り過ぎていく音が聞こえます。この石橋も実はずいぶん古いもので、これができる以前はこのあたりを通ろうと思えば傾斜のきつい山道の上り下りで困難だったとか。

それから、岩盤にもたれるようにひっそり立っている、腰の高さほどの長方形の石の建造物。
中央に縦に水の流れたあとが残っていますが今は水は流れていません。
これは、ここが人通りの多い道だったころに、旅人に飲み水を提供する泉として作られたものでした。
「100年経っても澄んだ飲み水を与え続けますように」と碑には刻まれていますが、標識によると建設からそれほどの年月を経ずに汚染が進んで、飲める水ではなくなったそうです。

ランニング中そうしょっちゅう止まってもいられないので、いくつもある標識を大抵は横目で見ながら走りぬけるのですが、時々好奇心に負けたときは(笑)立ち止まって読んでいます。歴史のある地域なので、こういうのは面白い。あと2-3ヶ月もすれば公園のエキスパートになっているかもしれません。



おまけ。この公園、いろいろできます。走って通り抜けながらいいなあと思っていた岩壁、やっぱりクライミングできるのか…。
今気になっているのは、アメリカで初めて紙が作られたというところ。ツアーはこの時期は予約しないと行けないので、毎週あいている夏を待ってのぞきに行って見たいと思います。

<靴レビュー>Saucony Hattori

ひとつ言いたいのは、この名前どうにかならなかったのか、ということだが、それはおいといて。

Saucony Hattori

初のゼロドロップシューズです。
ランニングを始めてから1ヶ月ほどで4mmドロップのSaucony Kinvara2 に切り替え、先日のハーフマラソンまでその一足でやってきました。
ゼロドロップに興味はあったのですが、余りレースが近くなってから靴を変えるのもどうかと思ってレースが終わるまでお預け。
そしてレースの翌日に早速、それまで下調べしてあった情報を持ってスポーツ用品店へ。

ないのな。

ないのよ、品揃えが。靴が沢山あるように見えて、どの店も何かの偏りがあって、見たいタイプのものは実は全然なかったりするんです。こんなに積んであるのに殆ど全部ナ*キ、とか。
(ナ*キがダメだっていう話じゃないんですが、私は初代の不快なトラウマ靴がナ*キだったので個人的にナ*キ売り場は素通りなのです。私がダメだったあの靴が好きっていう人だっていると思うんだけど。)

一軒目では一足だけ試着。
これはレビューではほぼ完璧に私のニードを満たすと思われた靴で、ただ気になっていたのは私が持っている同じメーカーの普段履きの靴の靴底の固さでした。はいてみると底もまあまあフレキシブルで悪くはないが、親指側の骨のとかかとの違和感が気になった。これは慣れる種類のことなのかしら、どうも逆のような気がする、と感想をメモして次の店へ。
異性とのお付き合いでも大体、最初にちょっと「あれ?」と思ったことが最後にダメになる原因になるからね。

二軒目にはリストアップしていた靴が一足もなかった。それどころかゼロドロップが全然なかった。
先にネットで調べとけよ、といわれれば全くその通りです。
一応試着はして、履き心地のいいものは一足あったのだけれど、今回はゼロドロップが目的なので、将来の欲しいものリストに入れることにして引き上げ。

さて三軒目。
ここには少なくとも2種類、気になった靴があるのがわかっていました。
しかし店のレビューが両極端で、オーナーが知識豊富、ここでしかランニングシューズは買わない、という人がいる一方、オーナーの態度についての不満でもう二度と行かない、という人もいて、少々腰が引けていたために最後にまわしたんでした。ほら、小さな専門店って入ったが最後逃げ場がなかったりするしさ…。(笑)

入ると、奥のレジのところに立っている眼光鋭い中年女性が振り返りました。
明らかにランナー体型です。顔が怖いっつの。
ゼロドロップで、トレイルランも考えている、とサイズとともに言うと、「あるわよ」とすぐ奥に入って5箱ばかり出してきました。
作業をしつつ、私に話しかけつつ、他の二人の若い男性店員にひっきりなしに別の用件の指示を出している。
息子さん?いやもしかしてツバメさん?
あ?今彼じゃなくて私に話しかけてるんですか、ややこしいなあもう。

この人おっかないんだけど、すばらしいのは質問にすばやく返事が返ってくること。
それぞれの靴のクッションの厚さも全部把握しています。
「これ探してたんですよ、他の店になくて」
と言ったら、「ないわよ。皆ゼロドロップの売り方知らないんだから。」
強烈。笑
私がその靴をはいてみて、ちょっとかかとがゆるい感じするけどこういう靴?と訊ねると、
つま先部分を押してみながら「ちょっと大きいわね。それでクッションはあるほうがいいの、ないほうがいいの?」と訊きます。
「なしで。」
「あ、じゃあこれじゃないわ。」
と、出してきたのがこの靴でした。

私が今まではいていたのと同じブランド、Sauconyです。
たまたま私の足の形にあっているのだろうと思うのですが、やっぱり足にすっと馴染みます。
実はこの靴、下調べした中に挙がっていたものではありませんでした。
Sauconyがゼロドロップを作っていることさえ知らなかった。
お店の中を少し走ってみると思わず顔が笑いました。
これだわ。迷いなし。
"Sold!"

翌日公園でいきなり14キロ走るという暴挙にでました。

前の靴Kinvara2に替えたときも、地面の様子と着地するときの足の様子がわかりやすいと思った記憶がありますが、この靴はそれ以上です。中敷自体はKinvara2よりもふわっとした素材が使われていて、厚手の靴下を履いているのに近い感覚があり、一瞬「クッションありすぎ?」と不安になったのですが、底がより薄いらしい。関節も自由に動くし、よくも痛くも踏んでいるものの感触が直に伝わってきます。ベアフットシューズの名に恥じない裸足感覚です。
Kinvara2も相当軽いですが、これはさらに軽い。実測したらKinvara2が326gで、Hattoriが196gでした。
靴が軽いと不思議と体全体が軽く感じられます。

初回のランニング後、左の親指の付け根側面に水ぶくれができそうな予感がありましたが、それには至りませんでした。
その後数回10キロを走っていますがその感じはなくなったので、初回で14キロという暴挙のためだったと思われます。

クッションべたべたの初代の靴から4mmドロップに切り替えたとき、兄弟子から(っていうのも変だけど、ランニングの話題のときだけコーチっていうのも変だし)「最初はふくらはぎに来るよ」と予告されていましたが、確かにそうでした。
そして今回。4mmドロップからゼロドロップに替えて、その影響を一番感じたのはやっぱりふくらはぎ。

4mmドロップの靴でのトレーニングで、様々の段階を試行錯誤しながら通って強い足首とアキレス腱を育てた経験があるので、今度の靴でさらに足を強くするのだと思うと楽しみです。

と、これを書いている最中にランニング歴数年の友達が私のFacebookに「何年も走ってるけど、あなたほど嵌ったことないわ。4mmドロップって何?」というコメントを残していて笑いました。
色々嵌りやすい性質なんです。良くも悪くも。

長距離ラン中の栄養試行錯誤

レースのエントリーに書きそこねたことがありました。

私はまだ経験の浅いランナーなので、長距離を走る間の水分とカロリーの摂取方法については本当に試行錯誤中です。
普段10キロ程度の練習のときは家を出る前に水を飲んで、帰ったらまた飲めばいいことなので何も持ち歩きませんが、10キロを超えて水分摂取をしないとさすがにへばります。
それでウエストポーチに水ボトルポケットのついているタイプのものを買ったのですが、つけて走ってみてびっくりしました。
500ccかそこらの水の重いこと。
単なる重量ではなくて、ポーチが完全には体に密着せず走るたびに踊るので感じられる重さが増すんですね。

新しいことを学んでいると、知らないことが一杯あってびっくりするよ。笑

さらに20キロが近くなるとお腹も空いて来ます。バナナ一本とかそのくらいの量で落ち着く程度のことですが、件のポーチに水ボトルとバナナを入れてみたら何だか馬鹿っぽくて気持ちが萎えました。食べた後バナナの皮またポーチに入れるの?という現実問題にもぶつかり。笑

じゃあそのために作られた製品ならどうなんだ、ということで、こんなのも試しました。120cc100キロカロリーで、水分、糖分量としては、走る前に十分水補給してるという前提で、これひとつで丁度いい。ポケットに余裕で入るので便利です。ランニングのサイトでは、ランニングパンツの内側に安全ピンでとめておく、という技も紹介していました。安全ピンはとめた状態のままミシン目で切り取って開けて飲む、と。

しかし不味いんだなこれが。

え?いちいちうるさいヤツだな?
自分でもそう思うけど、不味いものでカロリーとるとソンした気持ちになるじゃないか。笑

ここまで来て、普段からいける範囲の距離に以前ウィダーインゼリーが売っていたのを思い出しました。
私の(古い)記憶が正しければ、マスカット味は悪くなかった。
おそろしくふっかけた値段がつけてあったような気がするけど、と思いながら行ったら、もう売ってなかった。泣

もっとこう、普通の食品で、持ち運びが楽で、適度に水分もとれて、っていうものないのー?
と思いながら偶然通りかかったベビーフードコーナーにこんなものが。

babyfood.jpg

はい、離乳食です。
ウィダーインゼリーの袋よりは少し小さくて、ポケットに容易に入ります。
中身によってカロリーは60から100くらいまで。ヨーグルトベースのものだと大体90から100で丁度いい。
半固形流動食なので水分自体はこれひとつだと20キロのランには足りませんが、給水所のあるレースではお水はもらえばいいので問題ありません。そんなわけで今回のレースではこれをひとつポケットにねじ込んで走りました。

あと3キロほどの地点で空腹感が出たので開けてみましたが、走りながらでも容易に操作ができ、なおかつ残してもまた蓋をしてポケットにしまえます。そして何より、普通の食品の味がする!

そんなわけで、今のところ私の理想に最も近い長距離ラン用の補給はこのベビーフードです。
友達はみんな「え?」っていう反応をしたけどね。
ほっといて頂戴。笑

初ハーフマラソン大会

そんなわけで、ずいぶん前の予告どおりタイトルを変更しましたよ。
メダル

初ハーフマラソンの大会に参加してきました。
このメダルの上にあるRedefine Possible という文句がとても好きです。
Redefineというのは「定義しなおす」という意味。「可能の定義をしなおす」、すなわち今まで可能だと思っていなかったことを可能にしようという心意気が気持ちいい。
長距離ランはそれのできるとてもいい方法のひとつだと思います。←英語からの直訳みたいな日本語だな。笑

今回の目標はまず完走、それと、歩かないこと。
周りに釣られずに自分のいつものペースを保つことに集中して走ります。
申し込みをしたのがトレーニング開始まもなくで予想時間の見当がつかず、一番遅いグループに入っていたのでかなりのところまで人を抜き続けました。ペースの似た人たちの塊に追いついたらそこでしばらく安定。
なるほどこういうものなのね。

混みあっているところでは人を抜くのに手間取ったことも間々あったので、次回適切なグループでスタートするともう少しタイムが伸びるかな?

先輩に「人ごみの中で走るのも楽しいものだよ」と聞かされていて、ふうん?と思っていたけれど、確かに楽しい。
一人で走っているときよりも、ペースを保ちやすいみたいです。
それに、日本でもこういうノリかどうかは判りませんが、時々誰かが面白いことを言って笑いが起こったり。

笑いといえば、沿道に時々面白いサインが貼ってあるのも元気の元になりました。
「キミがポールライアンだったらこの地点を一時間前に通っているよ」とか(マラソンの記録をごまかして話したのが発覚した政治家ですね)、「頑張って、出産に比べればずっと楽よ!」とか。

このハーフマラソンは、ロッキーで有名なあの美術館(笑)の傍を出発して、歴史地区を通り抜け、NJとの境の川ぞいを走り、動物園の脇と公園地区を通ってもとの位置に戻るコースです。
少し離れた郊外ながらこのあたりに住んで14年になりますが、「へえ、こんなところあったかねえ?」という景色が多くて、知らない街を走っているようで新鮮でした。

実は大会以前に実際のコースを一度は走ってみようと思っていたのですが、ついにかなわず。
(今日の新鮮さを思うと、走らなくて良かったとも後になって思います。)
前に出たことのある人二人に、ハーフで終盤にくる動物園近くの上り坂がものすごくきつい、と散々脅されていて、そこを練習で走れていなかったのが少々気になっていました。
そこに来てみて上を見上げ、見た目の急斜面に、あ、なるほどね、こりゃきついだろ。
と登りはじめてみたら、まあきついにはきついけれど、十分いつものペースでいける。
殆どの人はペースが落ちていたので、ここで大分抜きました。
村上春樹さんが、彼にとって人を抜けるのは上り坂、と書いているのを読んでどんなつわものだと思っていたのですが、自分もそのタイプだったか。

一緒に走るはずだったのに申し込みが間に合わなかった友達が、沿道に応援に来てくれました。コースの真ん中あたりでみかけて手を降り、その後急いで移動したらしく(イベントで駐車スペースを見つけるのも大変なのに、感謝!)、あと半マイルでゴールのところにまたあらわれてびっくり。
彼女はハーフには間に合わなかったので、関連イベントの前日の8kを走ったのですが、お父さんが送り迎えと応援に来てくれてすごく力づけられたので、今度は私を応援に来てくれたんでした。いい人だ…。

歩かず、止まらず、13・1マイルを完走しました。
タイムは2時間13分。アスリートの基準ではまったくののろまだけれど、1ヶ月と少し前に初めてトレーニングでハーフの距離を走ってみたときは2時間半かかったので、自分としてはいい結果です。
トレーニングしすぎていたので(笑)、終わってちょっと物足りないくらいでした。
終わってすぐ、来年はフルだな、と心に決めました。
初夏にハーフを1-2回走って、この大会でフルを走ろう。

色々怪我について(主にランニングしたことのない人たちに)脅されながら、一時的な軽度の痛み以上の怪我もなく4ヶ月やってこられました。体の声を聞くことについて大きな学びをしたと思う。早期にクッションの少ない靴に切り替えたことは、体で何が起こっているかを敏感に感じ取ってその場で調整していく上でいい選択だった。このことは、怪我がなかったことと無関係ではないと思います。
トレーニングを始めてから走った総距離は、私の地元千葉県北部から、武道の師匠の故郷広島ほどになりました。
明日だけランニングを休んで、あさってからトレイルランで再開しようかと思います。
この夏までの人生、ランニングなしでどうやって生きていたんだっけ?

はい、中毒一丁上がり。
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剣祐

Author:剣祐
剣の修行中。

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