中伝(やっと)

くどくど説明を書きかけてイヤになったので長い話を短くすると、
前の道場で夢想神伝流の中伝を数本習ってから5年ほどになる。
当時その古流の団体でのランクで初段だった。
改めて今もその道場にいる先輩に訊いてみたら、中伝は普通二段以上で習うので、私は例外だったようだ。
初段にしては上手かったわけではない、ただ稽古はほぼ皆勤だったので教える気になったのだろう。

その後まもなくその道場を去って、形の概要以外のことは忘れるほどの月日が過ぎた。

今回の稽古は古流。
初伝大森流を全員で稽古したあと、私ともう一人、四段の先輩がS先生に呼ばれて中伝の一本目を伝授される。
この四段氏は三段まで関連道場で稽古していて、どうもそちらではあまり古流をやっていなかったらしい。
四段の審査に向けては古流は大森流の形を稽古されていた。

一本目はややこしい筋書きがあるわけではない。
それでも、居合膝への入り方、手の置き方、つま先を立てるタイミングなど、詳細はいちいち全部忘れていた。というより、前の習ったのと違うのかどうかも判らないほど忘れていた。実はその方が都合がいい。大森流のようになまじ覚えていると、今の先生の教えに合わせるのが逆に難しい。「誰に習った事柄か」というのは案外記憶の中でごっちゃになるものなので。

ひとつ、5年経っても忘れようにも忘れられないのは、中伝は脚がきつい、ということだった。
居合膝(正座から片膝だけ斜めに立てたような姿勢)から、腰を低い位置に保ったままで(しかも一本目では後方に)立ち上がるので腿の筋力を大いに必要とする。居合以外の運動を殆どしていなかった5年前はこれがヨロヨロだった。

今回抜いてみて、下半身の安定性に
「おっ、いけるんじゃないの?」
と内心にやりとした。
体作りは大事だな。

…と、いうのはぬか喜びで、翌日からしっかり腿の前面が筋肉痛になりましたわ。
そう甘くはなかった。笑

ヨガ

足の健康対策でヨガを始めた。
なぜにヨガかというと、ランニングで発生した足の問題を解決したのがヨガだったという先輩のアドバイスで。
正直な事を言うと「え~、ヨガ~~?」と思っていたのは、私は宗教的な匂いのするものや、
スピリチュアルとかなんとか、が苦手だから。

そんなわけで恐る恐る行ってみたのだが、小さな小奇麗な教室に小人数のグループで、
いきなり鼻うがいをさせられることもなく(どんな先入観だよ)、
インストラクターもそれぞれに感じよく、大抵クラスの前にその日の体の問題ややってみたいことを訊いてくれる。

ひとつ戸惑ったのは、インストラクターも生徒も一様に物静かなこと。
クラスが始まる前の数分のおしゃべりもみな聞こえるかどうかの囁き声でしている。
これは、なんだ、ヨガに大声を出してはいけないという哲学でもあるのだろうか、
私はものすごく通る声をしているので(それは広い体育館で武道の通訳をマイクなしでするにはとても都合がいいのだが)、うっかりしゃべれないぞ、と、無口なフリをしてみた。
郷に入っては郷に従え、である。



私は子供の頃から体がとても硬くて、小学校の体力測定では立位体前屈で指が床に届かず、先生に「マイナス出したやつは初めてだ」と呆れられたくらいである。
広告の写真に出ているようなヨガのポーズは皆難しそうなので、グループの中でこんなものをやらされた日には笑いものだな、というのもヨガを敬遠していた理由のひとつだった。

蓋を開けてみればむしろ、

「前屈以外の全てが得意」

ということだった。
おやおや。
自分でいうのもなんだが、片足で立ってもバランスは安定しているし、
コアが強いのでゆっくりかつ滑らかに次の動作に移れるしで、ヨガ歴2週にして、
自分よりずっとヨガ歴の長いグループの中にいながら何度かインストラクターに「祐子のように」と良い例として指摘された。
種を明かせば前者は居合の成果、後者はピラテスの成果であるが、子供の頃は運動といえばクラスで最下位くらいにできなかった私のような者にとって、運動で褒められるのは何だか妙な感じのするものだ。



たまたまオーナーが旅行で留守中に行き始めたので、オーナー以外のインストラクターのクラスをほぼ一通りやってみて、今日初めてオーナーのクラスに行った。
オーナーは小柄で可愛らしい、ウエーブのかかった黒髪に黒縁眼鏡の割と若そうな女性だ。

クラスの前に軽くストレッチをしていたら、
「武道やってる?」
と訊かれた。
どうして判ったのだろうと首を傾げていたら、
「動き方で判る。」
おっ。
訊けば度重なる怪我で数年前に辞めるまで、長年韓国の武道をしていたのだとか。
なるほど、戦士は他の戦士をかぎつけるというあれか。

オーナーが、基本のトーンは静かながらもおしゃべり好きらしい感じがわかったので気楽になって、「小声」問題について訊いてみた。
「しゃべっちゃいけないなんてことはないわよ。ここ、狭くて声が響くからみんな遠慮してるんだと思う。私も武道で大声出すのに慣れていたから、ヨガをその調子で教え始めたときは皆に引かれてね、静かなトーンに慣れるのに2年くらいかかった。」と笑っていた。

やっぱり場に馴染みたければ基本的には静かにしとけってことか。
私はヨガの先生向きではなさそうです。笑


居合道三段審査

武道メインのブログのはずがすっかりランニングブログ化していて、
前に居合のことを書いたのはいつだっけと見たら、半年以上前の全国合宿の記録だった。

居合は続けているんですよ。
あまりに稽古が地味だから書くことがなかっただけで。笑
この度ようやく書くことができたので、のこのこ戻ってまいりました。

居合道三段の審査に合格しました。
三段は9名受験で合格は3名。
3名ずつ3グループの演武で、私のいたグループが全員合格して、
残りは全部不合格だったので、どういうレベルで合否が分かれたのかは見られませんでした。

形は、前・受け流し・袈裟切り・顔面当て・総切り。三段でも古流はナシなのが意外でした。
(稽古してたのに!笑。しかし、古流を一本抜くと、その後の制定に古流の癖が残ってしまうことに最後まで苦労していたのでちょっとホッとしたのも事実。)
形を五本全て、ちょっと緊張で手が震えつつも比較的ゆったり大きく抜き終えてうっかりホッとしてしまい、
最後の正面に礼で下げ緒の一方を落として、あとで先生に小言を言われました。ははは。
(ははは、じゃない、三段にもなって。)

久しぶりに会った沢山の人に演武を褒められ、普段道場で褒められつけていないので妙な感じで、
「え?そうですか?」と間抜けな返答をする。
あとでS先生にそう言ったら、「道場で褒めてやらないからよそで褒められるような腕になるんだ」ですとさ。
ふん。笑



直前のひと月は、いつもの日曜日の稽古のほかに、いつもの道場ではあまり前面に出られない先生が指導している近くの姉妹道場の土曜の稽古に呼んでいただいて稽古していました。その最後の日、つまり審査の1週間前、あと稽古は明日の日曜しかない、という時になってビデオ撮影があり、久しぶりに自分の演武を(鏡以外で)観て衝撃を受ける。

なんだこのへたくそは。

普段は前に素晴らしい居合を抜く大先輩がずらりと並んでいて、その人たちを見ているので、自分の頭の中ではもうS先生くらい上手いくらいのつもりでいたのらしい。笑

いまさらじたばたしても稽古はもう明日1日しかない、大したことはできないけれど明日直せる所は直そう、と思っていたら、その「明日」は審査形式の演武を交代でした後は下の人に礼法を教える課題を与えられ、それも叶わず。

それを愚痴ればまたS先生に「審査の準備などとっくにできていなければならないはずだ」と言われるのがオチなので黙っておりましたが。(全くもってその通りだし。)



審査を受ける人も受けない人も、久しぶりに会った知り合いが皆上手くなっていて、
特にカナダの友達夫妻は二人ともますます冴えを見せていて、気持ちが引き締まりました。
こうして時々互いの成長を確認し合える仲間がいるのはいいものだなと思う。
久々に沢山の人と日本語が話せて楽しかったし。

いつも講習会や審査では課題をたっぷり発見して帰るのですが、今回もそうでした。
次の審査までは三年あるけれど、二段を通ったときも「次まで二年ある」などと思っていたらあっという間だったので、
気を抜かずに稽古を続けます。





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剣祐

Author:剣祐
剣の修行中。

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