道場の掃除

また道場のマナーの話になってしまうんですが、
「礼に始まり、礼に終わる」ってことで許してください。

私の通っている道場は、他の武道の所有するフロアをお借りして稽古しています。
「大家さん」でもあるその武道の先生には私は滅多にお目にかからないのですが、
今日はお仕事がおありだったのか、居合の稽古が始まる前から事務所におられました。

私が稽古の前に床掃除をしていると、私のところまでやってこられて、
(日本人なのですがなぜか英語で)
「稽古の前より後に掃除したほうがいいですよね」とおっしゃる。
「掃除は前後にしています。私はいつも剣道に残っているわけではありませんが、剣道の後にも掃除はしております。」と、相手が英語だったのでそのまま英語でお答えしたら、
「してるかもしれないけど、空気中に稽古着のカスやらが舞ってるから、翌日私達が来るころにはまた埃がたまってるんです」とおっしゃる。
ええと…それは、夜中とか朝とかにもう一度来て掃除しなおせ、ということですか?よく判らない、と思いながら、どう答えればいいのかと思案していると、
「とにかく稽古の前にするのは余り助けになりませんよね」と繰り返される。

稽古の前にもしたからってあなたに害があるとも思えないけど…と思いつつも、
この方に稽古の前の掃除の意味をお話しても仕方なさそうだったので、そこには反論しなかった。

稽古の前に、道場の掃除って、しませんか?皆さん。
私はもう習慣になっているので、掃除せずに稽古とかちょっと考えにくいです。
面白いことには、私のいる道場でも掃除が習慣の人とそうでない人がいて、
大体ラテン系はやりません。
私より段位が下でも、ふんぞり返って掃除が終わるのを待っている。
かと思うと、近隣の道場からほぼ毎週来られる六段錬士のアメリカ人の先生が毎回掃除されていたりする。
この先生に先に箒を取られると私はあわてて奪い返しに行くのであるが、先生は決して箒をくれない。
私は自分の箒をとりにいかねばならない。
ラテン系はそういう光景を見ても何も感じないらしく、ふんぞり返ったまま見ている。
私が武道家として尊敬できるな、と思っている人ほど、段位に関わらず箒をとります。
アメリカのようなところで武道の修行をしていると、どうしても「文化の違い」という要素が入ってきますが、
それでも。

どうですか、武道の修行をしておられるみなさん、
道場の掃除って稽古の前にもしませんか?


**

日本語で話しかけてもいいはずの私に、かなり大きな声で英語で言ったところから見て、
要するに更衣室にいた先輩に「きれいになってない」と言いたかっただけ、の可能性も高いです。
例えそうであっても、稽古前の清掃を「意味がない」と言ってしまう人、また、はっきり面と向かって言えばいいことを(「掃除が不完全です」)回りくどい方法で伝えようとする人は武道家としてどうなのかと私は思いました。

**

追記。
その後考えていて気づいたのだけれど、私にとって稽古前の掃除は一種の「禊」なのだと思う。
だから私は稽古の前に掃除しないとすっきり稽古が始められないんだな。
この感覚は日本で生まれ育った人じゃないとわかりにくいだろう、と思ったけど、件の先生も多分日本生まれの日本育ち。

線引きはどこか

時に不思議なことがありますがね。

姉妹道場の日本人女性の剣道の先輩で、酒の席があるとその後しばしば私に愚痴を言いに来る人がいる。
私の道場のメンバーは酒の席での先生への気遣いが足りないという。
では彼女のしていることはどういうことかというと、先生のそばに座って話をしながらお酒が空にならないよう気配りをしたり、カラオケで先生が曲を探すのを手伝ったり、先に入力できるように機械を確保したりしているのである。

確かにまあ、非日本人はカラオケで「先生に先を譲る」とか殆ど考えないで先を争うように自分が歌ってますしね、言いたいことは判るんですよ。

不思議なこととはここからだ。

同じような席が、もっと大きな規模の剣道の集まりで開催された。
違う道場の日本人女性が数人、日本から来られた先生のそばに座って、まあ同じような事をしていた。
同じような事だとしか私には見えなかった。
しかしこの先輩は、彼女達の事を「おべんちゃら使ってヤナ感じ」だと言ったのである。

どこからが先生に対する礼儀で、どこからがおべんちゃらなのか。
見るものの都合で決まっていないといえるのか。

と、彼女の愚痴を聞く度に思うんですが、どうですかね。

恒例剣道夏合宿

わたくしの剣道生活では1年で最大のイベント、道場の夏の剣道合宿から戻りました。
今年の初めに、居合だけでなく剣道もこちらの道場に正式に移籍し、ゼッケンも新たにしての参加です。
合宿の参加はこれで5年目かな。

火曜日の午後に各地からわらわらと会場大学の寮に集まり、最初の稽古はその夕方にある。
寮から丘を下ってキャンパスの下端にある体育館で参加者と顔合わせをして、こんなに若いグループだったかと驚愕した。冷静に考えると顔ぶれは殆ど同じだし、まあ子供が少し増えているくらいで平均年齢が去年までと比べて凄く下がったわけでもないのだろうが、そんな風に思うのは自分が年をとったからだろうか。



火曜日から日曜日だけれど、初日と最終日が半日なので、正味5日です。
スケジュールはこんな感じ。
6時から45分間の坐禅
9時から11時過ぎ 木刀による剣道基本技稽古法、剣道の形、竹刀剣道
2時から4時 竹刀剣道
4時から5時 剣道の形または水泳
7時半から9時 剣道の形または居合
で、そのあとは毎晩酒盛り、と。



去年の記録を見ると、稽古の内容自体は大体同じだった。

木刀による剣道基本技稽古法は予想通り去年の合宿の後全く練習する機会がなく、「基本3」で早くも「なんだっけ?」となった。帰ってきてから、そういえば覚え方があったような?と検索したらこれがみつかりました。前に見つけたのと同じページだな、「さがってどうする」っていうタイトルがいいなあと思ったの覚えてるし。合宿前に思い出せよ、自分…。いっそ木刀の柄に書いちゃうっていうのはどうだろう。

去年と同様、竹刀での剣道稽古の最初の部分を、この基本技稽古法に沿って進めていった。基本で動作を正確にしているので、肘を曲げてしまうとか体が傾いてしまうとかの癖を抜く助けになる。

去年中途半端に終わった小太刀の形は、今回何とかかたちにするまで持っていけた。ええ、去年の合宿ぶりでした(汗)。普段の稽古で前半竹刀の基本練習と形に分れるときに私はつい竹刀の方に参加するのだが、たまには形もせにゃな。

基本技稽古法と剣道の形では、原則として毎回相方を替えた。
それで痛感したことだが、相手によってやりやすさが全然違う。上手下手を別にしても、相手とタイミングを合わせる気が全くない人とか、端から相手を疑って掛かっているとしか思えない人とかだと非常にやりにくい。動作がきちんと出来ていて、かつ相手を読む気のある人となら、普段から一緒に稽古していなくても一発で合う。こういう感覚を知るのは居合でも大事じゃないか。居合でも初期から組太刀の稽古するのもいいんじゃないのかな。



1日剣道でへとへとになっての居合だが、疲れている状態での居合の稽古は、それはそれでいい。
普段は道場に週1しか行けないので、毎日抜けるのも嬉しい。そもそもむしろこれが楽しみでこの合宿に参加しているのだった(笑)。各自練習の間は、普段あまり時間の取れない古流になるべく時間を割いた。古流を稽古していると、時々大先生が来て、動作の細部の理合の知らなかったことを教えて下さる。目からうろこが7枚くらい落ちた。やはり古流はいい。



この合宿は、門下生でなくても参加できる。今回門外から参加したうちの一人を見ていて色々考えさせられ、なんと言うか、いい反面教師だった。
まず着装からしてだらりと胸をはだけていてだらしがない。覇気がなく姿勢も悪い。同じ段位で回り稽古であたると、全然やる気がないんだか「もとだち」の側のつもりなのか、全く掛かってこない。形で組んでもものすごくやりにくい。その状態で最終日に審査を受けていたが、立ち合いで不合格。その人を知る数人からの話を総合するに、もうずいぶん長いこと今回受けた段位の審査をあちこちで受けて回っているらしい。数打ちゃ当たると思ってるのかな。大体近隣の連盟の審査よりここの連盟の方が厳しいのに…。

そう言う人を見て、私はちゃんと準備しよう、準備できていないのに漫然と審査を受けるのはやめよう、と強く思ったんでした。ひとまずこの冬(時期的には次の審査を受けてもいいことになっているのだが)は見送りだ、基本でだめなところがありすぎるから、まずそこ直さないと。



今回はいつもと同じ大学だが、改装の都合でいつもと違う寮、かついつもと違うダイニングルームだった。
で、驚いたことに食事が旨かった。
特にデザートが旨くて、食事もたらふく食べた上に毎食後ついつい甘いものを食べていたら、あろうことかこれだけ運動していて1週間で1.5キロも太りました。去年は毎晩飲んでも少しは痩せたのに!

それでも出来れば今後もこっちのダイニングルームの方がいい。笑



さて最終日、審査とその見学の後最後の稽古をして、昼で終了。
しかし体育館は丘に広がるキャンパスの一番下にあるので、防具やら竹刀やら全部持って丘の天辺まで登るというのが実は最後の試練なのだった。
私が階段の前で防具バッグを担ごうとしていると、後輩の青年が「手助け要る?」と尋ねてくれた。「ありがとう、大丈夫。NYの駅で慣れてるから。」とひょいと肩に担ぎ上げて青年にびっくりされた。
その後その青年は自分のバッグに苦労してました。手伝おうとしたら後ろから彼女に呼び止められていたので先に行ったけど。



帰って来て1日昼寝などしながらぎしぎしの体を休め、こうして合宿を振り返っているわけだが、一回りくらい私より年上の大先生の体力は凄いなと改めて思っている次第です。

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剣祐

Author:剣祐
剣の修行中。

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